2011年07月05日

メロディ・フェア(宮下奈都)

 母の誕生日を祝いに、日帰りで実家に行ってきました。子どもたち、母にいっぱい構ってもらって、幸せそうに寝ています。

メロディ・フェア (文芸) [単行本] / 宮下 奈都 (著); ポプラ社 (刊) 26冊目は「メロディ・フェア」(宮下奈都著、2011ポプラ社)です。著者の本は初めて読みました。にどねが猛烈な夜泣きをしているとき、抱っこひもで寝かしつけながら読みとおした1冊です。

 主人公は、大学を卒業して、とある化粧品会社の美容部員として働き始めた結乃です。郷里の福井に戻り、母と妹の珠美と暮らしながら、ショッピングモールの中の化粧品売り場で仕事をしています。

 この主人公が小さなことでイジイジ悩む割に、唐突な(不自然な?)言動をするので、いまいち共感できなかったです。でも、美容部員の仕事なんて縁遠いから、頑張って働いている様子はとても興味深く、面白かったです。

 主人公のお母さんが良かったかな。姉妹を産んだときには世界を征服したような気持ちになり、主人公が「話がある」というと、目を輝かせて「おつきあいしてるひとがいるんか」と聞く、陽気でマイペースなお母さん、素敵です。

 読み終わってにどねを寝かしたら深夜でした。重かった。

タグ:宮下奈都
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2011年06月27日

ひとり日和(青山七恵)

ひとり日和 (河出文庫) [文庫] / 青山 七恵 (著); 河出書房新社 (刊) 昨日は、昔馴染みのお友達の家に遊びに行ってきました。少し距離があるのですが、慣れ親しんだ落ち着く家です。あやうく昼寝しそうになりました。

 25冊目は「ひとり日和」(青山七恵著、2010河出文庫)です。2007年の芥川賞受賞作。いかにも純文学志向な、渋い、陰気で、かっちりした作品でした。渋好きな私でも、さすがに渋めに構えすぎだと思いました。

 主人公の千寿は20歳。埼玉を離れ、都心にほど近い吟子さんというおばあさんのうちに居候を始めました。定職はなく、コンパニオンのバイトやキオスクでのアルバイトをしています。

 この千寿が非常に陰気な子で、可愛い顔をしていると思われるのに、男の選び方も悪く、性根もあんまりよくない。これに対して71歳の吟子さんは、気ままに、それなりに堅実に、毎日を送っている模様です。

 しかし、主人公は自分でもこんな毎日はよくないと思っていて、吟子さんの生き方を見ながら、自分の老い方を考えている様子があり、そのあたりは共感できました。

 ほかに、新宿を舞台にした「出発」という短編を収録しています。私はあんまり、新宿が日本の中心という感じは持たないな。スバルビルとか渋いビルが頻繁に出てきます。

タグ:青山七恵
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2011年06月25日

キャベツ(石井睦美)

 夫の父母と兄夫婦が遊びに来てくれました。家族揃って大はしゃぎ。みんなころっと寝てしまいました。

キャベツ [単行本] / 石井 睦美 (著); 鈴木 成一 (イラスト); 講談社 (刊) 24冊目は「キャベツ」(石井睦美著、2007講談社)です。石井睦美さんの文章はすごく優しくて癒されるので、わくわくしながら読みました。

 突然「すべての始まりはキャベツだ。」と物語は始まります。中学生だった洋は、父を失った後、母と妹の美砂のために、料理係を買って出ます。その役目は、宏が大学生になった現在もそのまま続いています。

 働くのに慣れた母、後片付けだけする気ままな妹。二人と暮らしながら、読書と家事と妄想に明け暮れる洋はとても魅力的で、終盤まで気持ちよく楽しく読みました。特に妄想は最高で、にどねを寝かしつけているのに噴き出してしまった箇所がありました。

 幕切れは唐突で、ちょっと結末には納得いかなかったりもしたのですが、それ以外にはしみじみともぽかぽかともしたし、励まされる感じもあって、いい本でした。「冷蔵庫を開ける瞬間をぼくは嫌いじゃない。戦闘開始っていう感じがするからね。」という洋の感覚、すごい主婦だと思います。

 絵本のキャベツくんも読まなくちゃかしら。ひるねは内容をそらんじているようだけど。

 日々、それなりに努力を重ねていけばどんなことでもある程度はできるようになるんだ。これは、実感。ぼくの料理しかり。おくろの会社勤めしかり。ここで重要なのは、努力っていうことのほうじゃなく、重ねていくっていうことのほう。これも、実感。繰り返すけど、ぼくの料理しかり、おくろの会社勤めしかり。

タグ:石井睦美
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2011年06月22日

やってられない月曜日(柴田よしき)

 にどね、あせもができてきました。あついですね。

やってられない月曜日 (新潮文庫) [文庫] / 柴田 よしき (著); 新潮社 (刊) 23冊目は、「やってられない月曜日」(柴田よしき著、2010新潮文庫)です。「ワーキングガール・ウォーズ」の姉妹編とのことです。

 高遠寧々、28歳は、就職氷河期に大手出版社にコネ入社し、経理の仕事をしています。川崎に一人暮らしをして、コンビニでご飯を買って暮らす日々です。

 恋人もいないけど、会社では同じくコネ入社で庶務で働く弥々とつるみ、自宅ではNゲージのジオラマに置く建物を作るというスゴイ趣味を持っていて、なかなか充実した生活を送っているようです。

 こんな生活でいいのかなあと自問自答しながら、せっせと働いたり、下着泥棒に遭ったり、同僚のお葬式を手伝ったり。なんてことない連作短編集ですが、働く女性をなかなかリアルに描いていて、期待していなかったけど、とても楽しく読み終わりました。寧々ちゃん、男にもてないそうですが、結構いい性格なのです。

 柴田よしきさんは、こういう明るい系統の本が似合うと思うんだけどな〜。「ワーキングガール・ウォーズ」の翔子が、寧々の従姉妹として特別出演しています。

 弥々はやっぱり、怖がっている。理屈ではなく、あたしにはそれがわかった。弥々は普段、こんなにいろいろと他人の心理を分析して決めつけたりはしない。弥々の良さは、アホの振りが嫌味にならないところなのだ。弥々は、他人の心を解剖して喜ぶような、そんな女じゃない。
 こうやって、誰かの心をアジの開きでも食べるみたいに箸の先でほじほじするのは、彼女らしくない。

 

タグ:柴田よしき
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2011年06月19日

レヴォリューションNO.0(金城一紀)

レヴォリューションNo.0 [単行本] / 金城 一紀 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊)  今日は、久しぶりに私の祖母のおうちに遊びに行きました。おばあちゃん大好き。

 22冊目は少し前に読んだ「レヴォリューションNO.0」(金城一紀著、2011角川書店)です。ゾンビーズ・シリーズの最終作にして、結成前夜を描いた中編小説です。

 続きが出たと聞いて、喜んで読みました。思ったより「〜NO.3」の内容を忘れていてショックでしたが…。シリーズ中、もっとも疾走感があったかも。

 まあ、さすがに、この訓練はありえないだろ(みんなで合宿みたいのに行く話なんですが)、とは思いました。アギーがおいしかったのと、団体訓練から抜け出そうとする理由がよかったです。

タグ:金城一紀
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2011年06月18日

さようなら、コタツ(中島京子)

 にどね、「マンマ」(ごはんor母)、「ネンネ」(ごはんorひるねおねえたん)等と話すようになりました。やる気あるのはごはんだけ。でも乳アレルギーです。

さようなら、コタツ (集英社文庫) [文庫] / 中島 京子 (著); 集英社 (刊) 21冊目は「さようなら、コタツ」(中島京子著、2007集英社文庫)です。お部屋の中の話を7つ収録した短編集です。さらっと読めて、面白かったな、と思える本でした。

 「ハッピー・アニバーサリー」は、由香里が仕事仲間の園子とお祝いをしようと部屋に帰ったところ、鍵を届けに来た父が部屋でのんでいた、という話。実際にあったらこんなにほのぼのした話にならないでしょうが、あたたかったです。

 「インタビュー」は、インテリア雑誌の取材を受けたイラストレーターの話です。妻が出て行ったばかりの彼は、若い記者にあれこれ聞かれるうち、妻のことばかり思い出します。そして自分の愚行を思い出し、インタビューはうまくいかない…というビターな作品。最後のカメラマンの一言が良かったです。

 「陶器の靴の片割れ」は、彼女と結婚が決まったのに、昔の彼女を思い出す男性が主人公。これもちょっと苦い話だったかなあ。

 「ダイエット・クイーン」は、衝撃的な話でした。でもありそうだから、つらいです。「八十畳」は、お相撲さんたちを描いた、ちょっと変わった短編でした。

 最後のひとつ「私は彼らのやさしい声を聞く」は、「桐島家の縁談」の後日談です。でも、十条のおじさんのこと覚えてないんですよね…。反省。十条銀座の様子がちょっと描かれていました。

 一番好きだったのは、2つ目のお話、表題作の「さようなら、コタツ」です。36歳の由紀子が、恋人未満の男性を家に招こうとするお話です。自分の誕生日に、せっせとあれこれ用意する様子や、気持ちの乱高下が、我がことのように共感できました。いい話です。

 あんなに恐縮しちゃって。
 明日、仕事が終わったら、まっすぐ来んだって、ここに。

 

タグ:中島京子
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2011年06月12日

神去(かむさり)なあなあ日常(三浦しをん)

 昨日は、保育園のクラス会がありました。カオスな飲み会、素晴らしかったです。ママ全員で乾杯したのは痛快でした。

神去なあなあ日常 [単行本] / 三浦 しをん (著); 徳間書店 (刊) 20冊目は「神去なあなあ日常」(三浦しをん著、2009徳間書店)です。

 高校卒業後、フリーターで暮らすつもりだった勇気は、母と担任教師によって、山奥にある村で林業見習いをすることになります。絶対無理、と言っていた勇気が、少しずつ林業に打ち込んでいく1年間を描いたお仕事小説です。

 18歳の勇気の一人称で語られるので、軽い感じで、テンポよく進みます。内容はディープな林業の様子にふれていて、興味深かったです。

 自然を職業とする人が、神様を素直に受け入れる気持ち、とっても危ないお祭りがなくならない理由が、なんとなくですが、わかったような気がします。

 あ、目立てってのは、刃を研ぐことだ。ヨキなんかは砥石を使って、斧の刃を剃刀ぐらいに鋭く研ぐ。薄くしすぎても、刃がすぐ欠けちゃって仕事にならないから、加減がむずかしい。ヨキが夜、自宅の土間で目立てをするときは、技を盗むべく、俺もそばで観察している。そこまでしなくていいんじゃねえか、と自分でも思うんだけど、気になって観察せずにはいられない。

タグ:三浦しをん
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2011年06月11日

好かれようとしない(朝倉かすみ)

好かれようとしない (講談社文庫) [文庫] / 朝倉 かすみ (著); 講談社 (刊) 時は疾く過ぎる…。メモもはかどりません。

 ひるねは相変わらず、ガツガツと毎日を過ごしています。にどねは対照的にの〜んびりと発達しており、最近は座ってパチパチ拍手をしては、ニコニコ笑ってます。どちらも人が大好きですが、子どもって本当に、それぞれ違うものなんですね。

 さて、19冊目は「好かれようとしない」(朝倉かすみ著、2011講談社文庫)です。ちょっと変わった恋愛小説でしたが、面白かったです。

 主人公の吹雪は、友人とのエジプト旅行から帰った直後、スーツケースが開かなくなってしまいます。70歳の大家に相談したところ、「一寸先は闇なのよ」と言いながら、鍵屋を紹介してくれました。吹雪はその鍵屋に一目ぼれしてしまいました。

 おく手で赤面症、「必死」を恥ずかしがる吹雪。新しい家庭教師先でも、教え子の母にそんな性格を見とおされてしまいます。しかし、恋に落ちた後、突如エジプト旅行で失敗したベリーダンスを習おうと決意します。その後の展開もなかなか意表をついてきました。

 大家さんが「のむわよ」とポートワインを出してくるところ、吹雪がベリーダンスの先生であるヒロエ・Oと対決するところなど、楽しく読みました。

「あたし、気がついたら、世界平和まで祈ってたりするの」
 それくらいの規模で、「みんな」に幸せになってもらいたいのよ、という茂森麻里の手に井上卓郎が手のひらを重ねる。

タグ:朝倉かすみ
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2011年05月28日

本日は、お日柄もよく(原田マハ)

本日は、お日柄もよく [単行本(ソフトカバー)] / 原田 マハ (著); 徳間書店 (刊) こんばんは。いろいろな出来事があるのですが、月日がどんどん流れていく…。このままでは、読書メモがとても少ない1年になってしまいそう。目標は達成しなくては。ペースあげていきます。

 18冊目は「本日は、お日柄もよく」(原田マハ著、2010徳間書店)です。主人公のこと葉は、27歳。老舗のお菓子メーカーでお気楽な仕事をしていました。ところが、幼馴染である厚志の結婚式で、人生を変える女性に出会います。スピーチライターの仕事をしている美女、久美です。

 こと葉が退屈なスピーチでスープに顔を突っ込むところ、久美の小気味よい登場、その後の久美の見事なお祝いの言葉までの流れは秀逸で、久々に胸躍って読みました。

 その後、ライバルのワダカマが今一つ掴み切れないことや、選挙の様子が実際の日本をモチーフにしていることなどには、ちょっと興ざめしました。それでも、最後まで期待を抱かせる著者のストーリー展開はさすがですし、言葉の重みを伝える本書のテーマは、私には興味深かったです。

 日ごろ、言葉を扱う仕事をしていますが、私は、伝えることに無頓着かつ良く聞かずに早合点という2大欠点があります。言葉の影響力にも、多少、懐疑心があるかも。もう少し、言葉を磨くことに気を使わなくちゃいけないな、と思わされました。

 特に、育児休暇中の私の言葉レベル、保育園児以下ですから…。幼児さんとのお喋り、いつもスリリングで楽しいのですが。

 関係ないけど、主人公のこと葉、久美さんも言うとおり、素敵な名前ですね。

タグ:原田マハ
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2011年05月01日

子どもの気持ちがわからないときに読む本(杉山由美子)

 地震がありました。言葉をうしなう大きな地震でした。昨日、ひるねが、保育園で教えてもらったと言って「小さな手」を歌ってくれました。今、こういう言葉が大切だなと思える素敵な歌でした。

子どもの気持ちがわからないときに読む本 [単行本(ソフトカバー)] / 杉山由美子 (著); 岩崎書店 (刊)  久々の読書メモ、17冊目は「子どもの気持ちがわからないときに読む本」(杉山由美子著、2008岩崎書店)です。

 本書は、子どものための本を紹介しているブックガイドです。いろいろな絵本を紹介しながら、著者自身の子育てエピソードや、育児のヒントを紹介しています。

 著者が内向的で読書好きだったこと、自分自身よく似た次女と、似ていない外交的な長女を育てたということなど、著者の姿勢には共感できるところがたくさんありました。

 「子どもがわけわからんちんになっているときは、本人も自分をもてあましているのですね。絵本で自分の気持ちを説明されることで、自分の感情を整理することができて、安心するのです。」という「はじめに」を読んだ時には、ひるねが弟が生まれて揺れたときに、「ちょっとだけ」(瀧村有子著、鈴木永子絵)を読んであげたら落ち着いたことを思い出しました。

 ひるねも絵本が好きですが、本を読んであげる落ち着いた時間が多くありません。にどねにはもちろん、私が読んであげようとしたこともありません。この本を読んで、もうちょっとたくさん絵本を読みたいな、と素直に思えました。読みたい本をメモしなくちゃ。

「小さな手」

タグ:杉山由美子